月華国奇医伝 8巻 感想

2022/02/28 12:00:49 | その他 | コメント:0件


忙しくてブログを書くペースが滅茶苦茶遅い・・・orz



表紙は皇太子版景雲ですが、やっぱ景雲も主人公なんだなと思う。

今回で李州編完結。


以下、ネタバレ。



トウモロコシへの石灰は解毒処理ではなく、栄養素追加だったのね。
てっきりその土地特有のトウモロコシに毒性があるのかと勘違いしてた(汗)
トウモロコシ大好きで当たり前の様に食ってたから、それだけだと病気になるなんて思わんかったわ。
そう思うと、必要な栄養素をちゃんと取れるのは幸せな事なんだなと改めて思う(マヨコーンピザとかみそバターコーンラーメンとかコーンスープとか大好き)

んで、胡葉に直接治療して貰っている患者達はどんどん病が治っていくので、最初は疑ってた村人達も認めざるを得ない状況となるが、頑なな輪教と喧嘩腰な胡葉のせいで結局また対立。
輪教はただでさえ自分達のせいで村人達が病気になってしまったかもしれないと言う不安と罪悪感があるのに(不安だから口で必死に否定する)、そこに「ほら!やっぱりお前は間違っている!私の方が正しい!」なんて言われたら、そりゃ益々不安になって頑なになるに決まってるわな(汗)
相手を負かすだけなら論破だけでいいかもしれんが、相手の心を開かせるなら論破は逆効果ですからな。

結局胡葉のやり方じゃ平行線だと思ったのか、青雪は自分をいじめてきた子供達に「このままじゃお前らの家族は死ぬ。本当にそれでいいのか?」と問い掛け、シンも輪教が村人の飢餓を救った事や患者を助けようと必死になっていた事も皆わかっていると諭す。

シンと青雪の相手を否定しない説得で自ら心を開いた村人達に、胡葉は相手を責める言い方では駄目だと悟ったのか「目的は一緒だから協力して欲しい」と、相手を負かすのではなく、歩み寄る姿勢にチェンジ。
言い方が文洙の真似っぽいですが、やっぱ前の元超の件が相当効いたっぽいな(自分の発言のせいで人が自殺しそうになった出来事だったから当たり前だが)
そのおかげか、輪教も渋々ながらも胡葉のやり方に協力する事になり、「お前達を信じたわけじゃないからな!」とツンデレ発言(笑)

いつも自分の話は家族以外には受け入れて貰えないのが当たり前だったので、ようやく受け入れて貰えて胡葉は大喜びだが、同時に景雲が家族以外で初めて自分を受け入れ、信じてくれていた事を改めて思い出すと。
景雲の場合は、政治にまで食い込んできた輪教への打開策を欲していて、そこでたまたま医術の知識と技術を持った胡葉と出会ったから、「これならいけるんじゃね!?」と信用したと言うより、藁にも縋る気持ちに近かったんじゃないかと思うけど。
未来の皇帝として育った故に、未知のものにもきちんと目を向け、必要なら取り入れる決断力を持っていたからってのもあると思うけど。
まぁ、景雲の思惑はどうあれ、胡葉にとっちゃ家族以外で初めて自分の意見を受け入れてくれた相手って事に変わりないけどね。

ってか、胡葉達の説得を見て、最近の作品もこういうところは見習うべきだよなーと思った。
何か知らんけど、特になろう小説が男性向けも女性向けも「私に酷い事したんだから今更謝ったって許さない。せいぜい悔しがって絶望しろ」みたいな、相手に恥をかかせて見下して優越感に浸るざまぁ系が流行ってるよね。
でもあれ、主人公の器の小ささと性格の悪さを強調してる挙句、新たな争いを生むだけだよね。
「主人公は一時の優越感の為だけに恥をかかせた相手から復讐される事を一切考えてない浅はか人間です」って言ってる様なもんだと思うけど。
真っ当な主人公は、ムカついても同じ土俵に立つ事自体時間の無駄だと接触を断って幸せになる為の努力をするか、ムカついても自分から歩み寄って互いが納得する様に行動するし、わざわざ復讐して恥をかかせて見下して優越感に浸る為にエネルギーを使うなんて無駄&陰湿極まりない事しないでしょ(子供ならまだわかるが、いい歳した大人がやるのは・・・)
ムカつく相手を負かしてスカっとしたい気持ちは理解できるが、実際にそれをやるのは理解できん。
しかも、そんな主人公がサブキャラ達からクズではなく善良で魅力的な存在と扱われてるっぽいのが闇の深さを感じる・・・(汗)
こんな悲劇の主人公気取った他人の不幸を喜ぶ主人公に共感&真似したら、人間関係が絶対上手くいかずに嫌われると思う(少なくとも自分はなろう主人公と友達になりたいとは思わないし、絶対関わりたくない)
そういう系の漫画の表紙や広告見る度に「うわぁ・・・(ドン引き」ってなります(汗)


んで、とうとう景雲の正体が沈にバレたわけですが、沈は「暗殺すりゃいい」ととんでもない愚行に走ると。
沈は常に大物のおこぼれにあやかろうとする根っからの小物キャラで、大物になれないタイプだな。
ってか景雲を殺したら後で大惨事になるのは冷静になればわかる事だと思うんだが、いつも大物に従って美味しい汁を吸うだけだったから、その大物が考えそうな事が考え付かないんだろうなー。
最後に用済みと言わんばかりに暗殺されたのは流石に可哀想だけど(汗)


そして冰羽は女装好きじゃなくて、ガチの女の子だったのね(笑)
いつもよくやるの深読みのし過ぎだったわ。
男装の時と女装の時の声色も違うって言ってたから、男装時はわざと低い声を出してるんかね?
そう思うと、男尊女卑なこの世界観で男女関係なく実力を評価するうえ、冰羽がミスしても優しく諭す時英は本当に人格者だな。
それに対して、蔡は父親の教えもあって、怖くても身を挺して冰羽を守ろうとするが、逆に冰羽にブチ切れられると。
いい人ではあるし、立派な心掛けではあるんだが、冰羽に対しては逆効果だったと(笑)
まぁ、武術に秀でていても女ってだけで蔑ろにされ続けたんだろうし(正に祐甫の性別反対バージョン)、冰羽って元々負けず嫌いっぽいから(だから蔡の失言にいちいち腹立てて嫌味を言う)、『男は女を守るもの(女は男に守られるもの)』てのはNGワードなんかと。
かと言って、あの状況でブチ切れて食って掛かるのは「実は結構余裕あるんじゃ・・・」と苦笑いしたわ。
景雲は景雲で「散々筋肉がない馬鹿にされるが、そこらの兵に負けるほど雑魚じゃねぇ!俺を舐めんなっ!!(怒」って感じで、ここにはいない誰かさんに向かってブチ切れていると(笑)


目下の問題もひと段落して、改めて蘆氏一族が何をしようとしてたのか調査する事になりましたが、鉄を作っていたんじゃないかと言う事が祐甫によって発覚。
やっぱ祐甫って力仕事が苦手で自分に自信がないだけで、かなりの有能キャラよね。
しかし、武器の大量生産と通貨偽造とか現実の現代でも充分大罪ですからな。
戦争でも引き起こすつもりなのか・・・ガチで早く止めないと大勢の人間が死ぬ事になるな(冷汗)
もうね・・・蘆氏一族はマジで人を駒としか思ってないのね・・・巻き込まれて殺される人間はいい迷惑だよ。
尚真は「これで人間はまた成長する」と人を成長させる事にご執心だから、犠牲者の事は「人が生長する為には仕方ない事で、生き残れなかった方が悪い」と必要悪的な感じで諦めてるんかと(それで故郷の村も滅ぼしたわけだし)


んで、今回の一件で自分にとって胡葉が大切な存在だと気付いた景雲ですが、国のトップ故に『いざって時は胡葉を犠牲にしなきゃいけない』と言う事に悩むと。
文明が発達してないから、大勢を助ける為に少数の犠牲とかよくある事でしょうからな。
王の仕事は人に憎まれる事でもあるからね(汗)
まぁ、文明が発達した現実で『大勢を助ける為に多少の犠牲は仕方ない』とか言うのは、「ただの怠慢なんじゃね?」と思わないでもないけど。
胡葉は胡葉で家族以外で自分をここまで心配してくれる人がいる事に戸惑うと。
友達同士ならそんな事当たり前なんですが、胡葉も景雲も友達と呼べる様な存在はいなかったからな(汗)


んで、いよいよ胡葉の父ノアが娘を追いかけて都までやって来たと。
多分、今の胡葉ならシンのお目付けがあればギリギリ大丈夫なんじゃないかね?
時英や芳琳を勝手に手術したのも、緊急事態でノアが来るのを待ってたら2人とも確実に死亡してたし、シンが付き添っていたから”1人で勝手に”やった事にはならないだろうし。
まぁ、元超を絶望させた件もあるから、その事についても話し合う事になると思うし、お目付け役なしでやらせるのは絶対アウトだろうけど(いまだに「死体なんだから私が解剖したっていーじゃん」と死者を冒涜する発言してるし)


ってなワケで李州編完結。
何かもう色んな事が同時発生してた故に、ごちゃごちゃ複雑に入り乱れて混乱しまくり、予想を見事なまでに外しまくりました。
胡葉が景雲に渡したお茶が解決策になるのかと思ったけど、そんな事なかったぜ!(汗)
あと、知節は村に入った時以降は一切出てきてませんが、もしかして鉄作りに関わってるのかね?
もしくは輪教の隠れ信者(密偵)とか?


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