凪のお暇 8巻 感想

2021/02/05 12:49:11 | その他 | コメント:0件


今回は凪がゴンと再会し、夕が自分の醜い部分と向き合って行く話。
ひたすら重い展開が続くが、自分の醜い深層心理ときちんと向き合わないと、夕も凪も永遠に苦しみから逃れられないから当然だわな。



以下、ネタバレ。



新キャラの愛恋ですが、前から「なんか凪をジロジロ見てる人いるなー」とは思ってたけど、まさか子供で、しかも凪で映画を撮りたいと言う意味で見てるとは思わんかった。

愛恋の姉は冷静に客観的に物事を見れるのに、えらいネガティブなせいでナナメに構えて、そんな自分に酔ってそうだな(汗)
タピオカは10年くらい前にも流行ってた気がするけど、自分は興味なくて、たまたま同僚の先輩からコンビニのタピオカミルクティーを貰って飲んだっきりだな(もちもち食感は大好きだけど嵌るほどではなかった)

ってか、自分的には情報収集の為に流行のものを一通りチェックして、たまたまどストライクのものがあって嵌ったって言うならアリだと思うが、「流行ってるし、皆がいいって言ってるから素晴らしい」と自分で判断せずに周囲の意見に同調し、流行が終わったら見向きもしないってのは「趣味くらい自分の頭で考えて判断しろよ・・・」と微妙な気持ちになる(汗)

んで、どんどん後ろ向きで疑心暗鬼&被害妄想が悪化していく自分に戦慄し、このままじゃ闇堕ち確定だと焦った愛恋は、ずっと前からやりたかった事をやって、何かに夢中になる力で自分を変えたいとようやく凪に話し掛けたと。
『夢中になる力』ってキラメイジャーのキラメンタルみたいなもんか(笑)

実は~もっと~周りの目は気にせずに~♪叫び出したい~走り出したい~そう感じたなら~キラメイGO♪
未来が始まる風を~掴んで上昇~キラリキラメンタル~♪好きな事を~信じる力~♪
キラキラ輝く為に~僕らは巡り逢ったと思うから~♪傷つき~磨き上げる~魔進戦隊キラメイジャー♪
by 魔進戦隊キラメイジャーOP主題歌

しかし、たおやかで可憐で危うげな原始人の映画・・・めっちゃカオスだな(汗)
どんなのかちょっと見てみたい(笑)
だが、やはり自分のやりたい事をやっている愛恋はめっちゃ生き生きしてましたな。
ってか、寧ろ北海道の方が大自然がいっぱいで土地も広いから、撮影に向いてるんじゃないかね?
都会ってビルばっかでファンタジーとかを撮影するにはあまり向いてないと思うし(場所によっては緑なんて皆無)、CGを使えばいいって言うならそれこそ地方でもできるし、今はネットも普及してるから必要備品もネットで購入できるし、ネットに動画を上げられるし、地方の田舎だから諦めるしかないって理屈は通用しないわな。
自分も漫画動画作ってみたけど、専門の学校とか行った事ないし、全部ネットで調べて作りましたからね(笑)

あと、この様子だと愛恋はマサルと友達になりそうだな。
マサルも今の友人達とのつきあいはあまり居心地良くないみたいだが、パン屋で皆とおしゃべりする姿は普通に楽しそうだったし、愛恋とは波長が合いそうな感じだし、そのまま愛恋と一緒にパン屋を溜まり場にしそう(笑)
ただ、マサルファンの女子にケンカ売られなきゃいいけど・・・(汗)


一方、紆余曲折あったものの、ようやく凪と再会できたゴンですが、やはり自分の事を『価値のないゴミ以下の存在』と思っているメサイアコンプレックスだった・・・(汗)
ゴンの家もあまり健全な家庭とは言えなかったっぽいし(子供に死んだペットの名前って・・・)
あの刺青も、自分が入れたいからじゃなくて、他者の為だったと・・・。
刺青を入れるのは痛いって聞くし、日本は刺青が入ってる人には冷たいし(実際凪も最初は偏見の目で見てたし)、温泉とかプールとか入場制限してるから、結構大変だろうに(プールはテーピングやラッシュガードで隠せば問題ないところが多いけど)
物理的な痛みには鈍感だけど、精神的な痛みには物凄く過敏と言うか・・・他人の為に頑張るけど、自分の為に頑張るのは慣れてないと言うか・・・本当に何事にも受身姿勢だったんだな(汗)

んで、エリィは本当にゴンの事が好きなんだなと思った。
幸せになって欲しいからゴンの恋を応援するとか、本当にゴンの事を想ってないとできない事だと思う。
エリィは今でもゴンが好きみたいだから(だからゴンが復讐されない様にメンタル崩壊起こした人達をケアしまくった)、余計にエリィがいい女に見えるわ。
まぁ、同時に苦労性と言うか、損な役回りだなとも思う(汗)


一方、夕は凪に幸せを追求する為にもがいて欲しいと思いながら、最終的には心が折れてくれる事を望むと、やはりめっちゃ病んでます。
多分、凪が幸せになる事を諦めてくれれば、今までの自分の境遇も仕方ないと思えるし、『これからも苦しい思いをしながら幸せを模索する必要はない』『幸せになるなんて無理なんだから妥協しながら生きていけばいい』と、自分はもう傷付きたくないから、凪に代わりに苦しみながら実証してもらい、自分の生き方は間違ってないと納得させて欲しいと思ってるんだろうな(汗)

そして、回想でようやく凪の父親である武も登場しましたが、武に夢中になってる時の夕が、ゴンに夢中になってた時の凪とまんま一緒(汗)
やはり凪誕生の経緯は、自分の醜い部分の直視を避け、幸せにして欲しいと依存してた末の結果だったか・・・。
武の方も典型的な責任感のない駄目男ですな(汗)
夢を追いかけるのは個人の自由だが、恋愛と両立できないなら最初から夕に手を出すなよ・・・。
後先考えずに欲望に走り、いざ責任ある立場に立たされると途端に逃げ出すとかガチクズだな(汗)
まぁ、簡単に身体を許した夕も大問題なんだけどね。
女は王子様を、男は母親を求める人が多いですが、どっちも根っこは『自分を幸せにして欲しい』『自分の人生の責任を代わりに背負って欲しい』と言う事なんだろうな(汗)

どっちの台詞なのよ~♪あんちくしょう~こんちくしょう~♪どっか消えておくれよ~夢泥棒~♪
お嬢さん~羊の仮面被ったあいつらが~♪息ひそめ~狙いを定め~ひょいと近付いてくる~♪
勘違い野朗は~面の皮が分厚いから~ハートの痛みもわかんない~♪


by『未来はオンナのためにある』 超時空女神ワルキューレ(マクロスデルタ)

んで、凪と仲良くするゴンに夕は警戒心を抱きますが・・・すげー形相になってますぜ(汗)
だが、夕はそんな自分の醜さを自覚しておらず、むしろ「正しい事をしているだけ」と言う認識。

DVな自分の父がいい例ですが、父は家族に暴力をふるうくせに、テレビで家族に暴力を振るう父親を「最低」と罵ってたんですよね(苦笑)
暴力を振るう時の言い分も「お前が悪い」と正当化するし、クレーマーとかもそうなんだけど、周囲に害を与える人って自分以外の人が同じ事をやるとぶっ叩くけど、自分の場合だけは例外扱いで『正しい事をしてるだけ』と言う認識で、自分は常に綺麗で善良で絶対的に正しい存在であり、悪になる可能性なんてあるわけがないと考えてるっぽいんですよね。
自分が悪者になりたくないから、相手の悪い部分をあら探しして、無理矢理悪者に仕立て上げ、自分は正義として断罪してるだけと思い込もうとしてるって言うか・・・。

子供向け番組の悪役みたいに『自分は根っからの悪』だと思っている人ってあまりいないんじゃないかね?
いたとしても不幸ぶって可哀想な悲劇の主人公を気取りたいだけの人かと(汗)
だから『自分は違う』と思うのではなく、『自分も気をつけないと』と思わないと、気付かずにやってたりするのよね。

アニメ漫画ゲームでも、重箱の隅をつつく様に嫌いなキャラの欠点のあら探しして叩きまくったり、二次創作で酷い扱いをする人が(少年漫画やRPGのヒロイン叩きは本当に酷い)、同じ口で「いじめは良くない」とか言ってたりしますからね・・・。
いくらキャラが本当に悪い事をしたからって(しかも大体はストーリー上の都合だったり、改心したり、良い部分もあったりするのに)、あらゆる手段を使って貶しまくる姿はマジでどっちが悪かわからんし・・・。
『正しい事』にやたらこだわる人って、自分の事が客観的に見られない人が多い印象。

ゴンの素性(音楽系の自由人)を話すと夕に「体たらく」と言われ、凪は「適当な事言うな」と反論したけど、ぶっちゃけ夕の指摘もあながち間違いじゃないよね。
実際凪は一時期自分を甘やかしてくれるゴンに依存してズブズブになって、ゴンがDJする姿がカッコいいとクラブに通い詰めて散財しまくって、自分の生活をおろそかにする駄目人間と化してた時期があったし。
まぁ、子供は無意識に両親の様な関係を再現してしまうので、当然の結果なんだろうが(汗)
凪も駄目男に惹かれやすいけど、駄目男でもゴンは相手を困らせたくない故に避妊とかはちゃんとしてそうだし、同じ駄目男の慎二が駄目人間と化した凪を否定してくれたから大惨事にならなかっただけで、この2人じゃなかったら夕の二の舞だったでしょうよ。
ほんと、凪はただ運が良かっただけだと思う。

んで、凪が変わり、ゴンも武とは違うと言う事で、世界の歯車が噛み合わなくなってきたと言うか、夕自身も変わる事を強いられる事になったわけですが、夕は多分変わる為に自分と向き合う事を選択したんかな(そのまま変わらない人もいるけど)
夕は武とゴンが似た様なタイプなのもあって、「凪が妊娠して男に逃げられたら自分の様に大変な人生になってしまうから、それだけは何としてでも防がなければならない」と言う意味でゴンと関わるなと言ったのに、肝心の凪は「私が生まれた事はお母さんにとって失敗だったんだ」と思い込み、「どうせ失敗作ですよー」と拗ねる(しかも夕はそれだけは否定したのに)
妙なところで噛み合ってないと言うか、思春期の娘と母親のケンカかよ(汗)

そんな凪にゴンはプロポーズまがいの事をしますが、今の自分の事で一杯一杯な凪じゃ結婚してもまたゴンに依存してた頃に逆戻りしちゃうんじゃないかね?(汗)
それに凪が腹を割って話し合えるのは慎二の方だし(今の状態で慎二と復縁しても結局駄目になりそうだけど)
まぁ、ゴンの方もプロポーズと言うより、ふと思った疑問をただ口に出しちゃっただけって感じだから、うやむやになりそうな気がしないでもない。
ってか、ゴンも腹割って話し合えるのは凪よりエリィだと思う。


番外編では色んな人の現在の状況ですが、以前言ってた桃園の好きな人ってバブルのママだったんか(笑)
まぁ、確かにママはスタイルいいし、優しくて思慮深くて洞察力と包容力もあるから、結婚したらいい妻になりそうだと思うけど。

一方、慎二は円の顔は飽きない豪語しますが、依存してくる構ってちゃんな性格に飽きたっつーか苦痛を感じてるんだな(苦笑)
いや、それ以前に顔も見飽きてても無理矢理飽きてないと思い込もうとしてると言うか・・・。
ってか、美形を見たいだけなら、それこそ友達として会うか、芸能人の写真集とか見てりゃ充分じゃね?
やっぱ『美形な人をゲットするなんてすごい』と周囲から賞賛されたいからか?

凪はカースト上位だったクラスメイトの岡田と意外な接点があり、本当は自分を気にかけてくれていたのに、凪が自ら仲良くなるチャンスをふいにしてた事が発覚。
ただ、やっぱ人って似た者同士でグループになるから、凪の場合は仲良くなれてもお暇前のOL時代みたいな居心地が悪いのに背伸びして空気読みまくるって状況になりそうだけどな(汗)
本庄から釘を刺されたのは、「底辺は底辺でいろ」的な意味じゃなくて、凪から「私も憧れのカースト上位の仲間入り!」と言う浅ましい欲望を感じて、「てめぇの魂胆見え見えなんだよ」的な意味で言ったんじゃないかね?(必死過ぎて自分もちょっと引いたし)

自分は中学の時はクラスには馴染めなかったけど、学校にあった生徒のメンタルケアの為にある相談室(利用する生徒はほとんどいないが)に行き、そこの相談員の先生達や、同じく相談室によく遊びに来る子達(クラス学年関係なく)と仲良くなって、休み時間や放課後はしょっちゅう相談室に行って、皆とわいわいおしゃべりや何故か相談室に置いてあったベーゴマで遊んでました(笑)
まぁ、クラスメイトはそんな自分達を『クラスであぶれた底辺どもの集まり』と馬鹿にしてたっぽいが・・・。

高校の時もやっぱクラスメイトの友人は3~4人程度だったが、オタク仲間な友人は男女学年問わず結構いたし、その友人達と放課後にゲーセンに行ったら、同じくゲーム好きな他校の男子達と仲良くなって、夜遅くまで皆でおしゃべりしたり、一緒に色んなところに遊びに行きました。
こうやって思い出すと、自分の学生生活は恵まれてた方なんだなーとしみじみ思います(成績は壊滅的だったが)
まぁとにかく、クラスであぶれたら学生生活は終わりとは限らないって事ですな。



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