月華国奇医伝 5巻 感想

2020/08/04 13:21:54 | その他 | コメント:0件


5巻発売している事に気付かず、月末に買ってきたよ(汗)



今回は游が胡葉に接触する話と、お隣の李州で奇病が発生する話。
表紙は天佑&小鈴のちびっ子兄妹ですが、やっぱこの2人が関わると微笑ましい光景になりますな。


以下、ネタバレ。



医術所を開いたはいいが、まったく患者が来ないので暇をこく胡葉とは正反対に、字の勉強に忙しい天佑と小鈴。
2人とも元々貧困層で勉強すらできない環境だったから、学ぶ事で自分にできる事が増えるのがとても楽しいと充実している模様。
しかし、胡葉って精神的に子供っぽいせいか、年下である兄妹と同年代に見えるな(瞬間記憶の件で天佑に釘刺されてたし)
まぁ、この兄妹は貧困故のシビアな環境で育ったからか、内面とか世渡り的な意味では胡葉より大人だからな(苦笑)

自分の場合は、興味がある事とかを自分から進んで勉強したり、考えたりするのは楽しいから好きですが、学校みたいに義務で強制されたり、ただひたすら暗記するだけの勉強はつまらんから嫌いです(汗)
なので学生時代は興味がある分野と数学の図形問題と美術以外の成績が壊滅的で(空間認識能力が高く、言語能力が低い発達障害なので)、宿題忘れも多い問題児でした(笑)


一方、游は景雲と親しげな胡葉が気に入らない様子。
ってかマジで胡葉の事を「兄上を誑かす不届きな女」と認定してきたよ(笑)
「あの女の正体を突き止めてやる」と意気込んで城下町へ行き、怪しい取引をしていた胡葉を追い詰めますが、胡葉が持っていたのは筋肉の春宮画・・・つまり筋肉男のエロい絵。
まぁ、現代の視点から見ると15禁のマンガやグラビア写真集レベルの露出ですが、そういうのがあまりなかった昔の人からすれば刺激的な絵なんかね?(月華国は皆露出ある服を着ないからってのもありそうだけど)
「私が毎日こっそり見るに決まってるじゃないですか!(キリッ」と恥じらいもせず堂々と言い放つ姿は本当ブレないと言うか何と言うか・・・・・・安 定 の 胡 葉。
当然游はドン引きである(笑)

んで、ゴロツキに絡まれて、状況悪化させる発言をする游。
こういう身分の低い者を見下している差別的な部分も正直皇帝に向いてないと思うし、相手を怒らせる発言をして場を悪化させてしまうのも致命的だなと思う。
だって皇帝になったら、こういう犯罪に走って落ちるところまで落ちた人達を少しでも支え、治安を良くする仕事をしなきゃいけないんだから、「下郎」とか言って見下してる時点でアウトだろ(汗)

案の定、ブチ切れたゴロツキに肩を脱臼させられ、治療をする事になったわけですが、相手が男だろうが平然と服を脱がす胡葉は本当に恥じらいの欠片もないな(苦笑)
游の方は服を脱がされて滅茶苦茶動揺してて、本当に「蝶よ花よ」と悪いものを徹底的に遠ざけた世界で育てられた箱入りなんだなーとつくづく思う(まぁいきなり服を脱がされりゃ動揺するのが当然ではあるが)
あと鍛冶職人達とのふにゃふにゃの舞がちょっと楽しそうだった(笑)
ってか、まさかノアもそれをやって脱臼患者を治してるんじゃなかろうな?(汗)
最終的には荒療治で治しましたが、游の正体を知らないとは言え、胡葉は本当に相手が誰であろうが容赦ないな。
あと脱臼はクセになりやすいって事ですが、そういや昔授業中にいきなり「肩が外れた」とか言い出した男子がいて、その場にいた先生に肩を戻してもらってたなー(汗)

城に戻ると家臣の薬師に治した肩を見てもらい、胡葉の腕が確かな事はわかったが、同時にいつのまに服に紛れ込んだのか、胡葉の筋肉春宮画を家臣に見られ、「人の趣味は千差万別だから」と生暖かい目で見られる(苦笑)
まぁ、家臣が勘違いするのも無理ないわな。
自分だってきっと勘違いするもん(笑)
淡々と普通に「脱臼を治した奴が落として紛れ込んだんだと思う。痛みで朦朧としてたから気付かなかった」とか言えば納得できるけど、必死に否定するとか逆に怪しいし。
まぁ、ブツがブツなだけに必死に否定するのも当然だが・・・(苦笑)

あと、家臣に男色趣味と誤解されて絶望する游ですが、景雲に対して異常なレベルで心酔してるが、やっぱ単に憧れているだけで、れっきとした異性愛者だったと。
まぁ、自分も異性愛者だけど、作品の最愛キャラは女って事が多いしね(元々二次元に恋愛感情抱かないけど)
同性を褒めたり、憧れたりすると何故かすぐ同性愛者とか言う人いるけど、その人達は同性に友情とか尊敬とかの感情を一切抱かないんかね?
ってか自分以外の人間には恋愛的な意味でしか興味を持てないんかね?(恋愛だけを心の支えにしようとすると大抵悲惨な事になります)

当初の目的を完全に忘れ去り、春宮画の件で胡葉に怒鳴り込みに行って、漫才の様なやりとりをする游と胡葉。
普段母親や景雲の前では素直ないい子って感じだが、胡葉に対しては子供っぽく感情をむき出しにしたり、「あ゛?」とかガラ悪い反応したりするが、恐らくこっちが游の本当の姿なんでしょうよ。
ってか寧ろ胡葉と游にフラグが立ってないか?
だって胡葉と游のアホみたいな会話って、景雲と胡葉の会話とまんま同じじゃん。
景雲がこの2人の仲を見たらどう思うのか・・・(笑)

ってか景雲と言い、游と言い、胡葉は皇子の素の一面を引き出すのが上手いな。
勿論、本人にそんなつもりはないんでしょうが、胡葉は無邪気で子供っぽいところがあるうえ、世間一般で言う女性らしさがないし、相手の顔には興味がなく、貴族だろうが媚びないし、良くも悪くも他の人と同じ様に扱うから、景雲も游も胡葉を女扱いする必要がなくて、普通の子供に戻った様な気分になるんかと。
あと、天才であると同時に変人でマイペースで独特な世界の持ち主だし、接してると皇族の権力争いの事を思わず忘れてしまうほどのパワフルな胡葉ワールドに引きずり込まれるんでしょうな(笑)


一方、シンに恋をした芳琳は仮病を使って診察を口実に会いに来たが、いざ本人を前にするとどうにも緊張モード。
ってか、普通に「遊びに来た」と言えばいいと思うんだが、身分の問題とかがあるのかね?
でもまぁ芳琳のはまだ恋(自分本位)状態だし、シンの心には1ミリも届いてませんが・・・(笑)
ってかシンがマジで天然たらし過ぎる。
お前はギャルゲーの主人公か。

いや、だって妹分の胡葉といつも一緒で、お嬢様の芳琳に好意を抱かれ、しかもどっちも美少女とか、まんまギャルゲー主人公の立場じゃん(笑)
あと、芳琳は漫才の様なやりとりをする胡葉と游を恋愛関係だと疑いますが、やっぱ彼女も恋バナが好きな年頃の普通の女の子ってわけですな。


そんな中、お隣の李州で死にいたる病気が流行り始めたみたいですが、この様子だと輪教が村で体調が良くない人に「救い」と称して何かしたんじゃないかと。
発症した人って、今のところはお年寄りや病弱な人っぽいし。

んで、不審に思った景雲は議会で調査すべきと提案しましたが・・・・・・やっぱどこの世界でも官僚の派閥争いがあるんですな(汗)
蘆貴妃派は隠蔽しようと必死に言い訳しますが、蘆貴妃派にとって重要なのは、国民を思いやるかとか、仕事ができるかどうかじゃなくて、游が皇帝に就く為に役立つかどうかなんでしょうな。
ぶっちゃけ蘆貴妃派って、典型的な野心だけは人一倍で国民の事は一切考えてない無能集団って印象だし。
欲望に目が眩んで鼻先に人参をぶら下げられた馬状態で、自分達が頂点になったあとの事をまったく考えてない人達なんでしょうよ・・・(汗)
野心や欲望だけで国は運営できないし、自分達の言動が場合によっては大勢の国民を殺し、終いには国をも滅ぼすって事がわかってない。
まぁ、現代でもどこの国も、国民と関わろうとしない政治家や官僚は、国民の現状がわからず書類上で物事を判断するから、結局現実が見えてなくて、結果余計に国民を苦しめる的外れな政策ばっかするしな(国民を見ない様にすれば罪悪感も軽くなるし)

あと皇帝も自分の意志がなさ過ぎ(汗)
自分の頭で考えて決めるって事ができず、部下や官僚に依存するわりに、女の誘惑には弱くて意見がコロコロ変わり、有能な人の意見をも無視する無能なトップの典型。
世襲政治だと、こういう政治に向いてない人がトップになっちゃったりするから危険なんですよね(現実でも王政&世襲のネパールは王族虐殺事件があって生き残ったロクデナシがトップになって国が大混乱になった模様)
まるで今の日本を見ている気分だわ・・・(日本は選挙政治だが国民が政治に無関心故にそうなっただけで自業自得だが)
雨嘉が毒殺された時も、多分皇帝が関わっているんだけど、黒幕は別にいて、皇帝本人にどんな意図があったにせよ結果的に毒殺に協力した事になってしまい、それをバラしたら皇帝の地位が危うくなるから隠蔽したとか?

礼部VS兵部は一時的に礼部が勝ったものの、蘆貴妃のおねだりで結局兵部が李州を調査する事になってしまい、皇帝の優柔不断さにブチ切れる礼部。
トップが無能だと部下が振り回されて苦労する典型ですな(汗)
だが、景雲的には想定内で、寧ろ『虎穴にいらずんば虎児を得ず』的な作戦に打って出る。
元々、そのまま礼部が調査できるならそれでいいし、兵部が調査する事になっても自分が李州に潜入し、行動力を示す事で礼部を味方につけようと考えたんでしょうな。
景雲は官僚達からは成績優秀なだけで何もできないお坊ちゃまだと思われてたみたいだし、ここで自分が国を本気で思いやり、その為の行動力もある事を証明できれば、皇帝や蘆貴妃派の横暴に歯がゆい思いをしている官僚達の新たな希望になれますからな。
国のトップは、突然訪れた国の危機にも即座に対応する行動力と決断力、そして責任力も求められるし、今の皇帝はそれがどれもも欠けていて、官僚がいなきゃ何もできないお坊ちゃまタイプみたいだし・・・(汗)

だが、今回は胡葉には詳しい事情を知らせず、お留守番させる景雲。
最初は打算で利用するつもりだったけど、今じゃすっかり友達状態だし、友達を利用する事に気が引けるのは当然だし、それ以上に好きな女の子をドス黒い権力争いに巻き込みたくないと思うわな。
あと、胡葉に持たされた薬草は、恐らく李州の奇病に効く薬草なんじゃないかなーと予想。


そんなワケで李州に潜入する事になったが、蘆貴妃側も流石にその事に気付いており、スパイを放っていた為、目くらましの為に時英と別行動をし、景雲は礼部の蔡、太子備身の冰羽のみで問題の李峰に潜入する事になった・・・・・・が、際と冰羽は相性が悪いのか、初対面で早速喧嘩(汗)

蔡は良くも悪くも正直で、ルールこそが絶対で融通がきかない優等生ですな。
何でも教科書通りに動いて、前例のない予想外の事には対応できないってタイプ。
ってか、蔡が時英と並ぶ美男子とか一体誰の発言だ?(汗)

冰羽は諜報員的な立場だから、ルールに縛られては何もできないと柔軟な発想ができる人って感じかな。
ただ、人によってはルールを破る自分勝手な奴とも思われそう(実際蔡にそう言われたし)
あとムカつく相手は例え味方だろうが神経を逆撫でして怒らせるところは太子備身として問題だろ(汗)

2人とも性格が正反対だから、どうしても反発し合ってしまうんでしょうな(汗)
それ以前に、どこの世界でも事務と現場の人間は仲悪い印象だし。
蔡は固定概念と官僚故の無意識に差別的な発言をし、冰羽は冰羽でわざと怒らせる様な発言をするから、景雲の心労は半端なさそう(汗)
ただでさえ失敗は許されない隠密行動なんだから、仲良くする事はできなくても、喧嘩はやめてくれって思ってそう。
まぁ、そんな問題児達を上手く扱えるかも含めて試されてるんかなと思う。

んで、調査するなら女の姿の方がやりやすいって事で女装する冰羽ですが、ヘタな女よりも美人だな(笑)
確かに相手が女子供ってだけで油断する人は結構いますからな。
特に昔は男尊女卑が激しかったから『どうせ女は馬鹿で男がいないと何もできない』って考えが当たり前だったろうし(蘆貴妃も「女の浅はかな考え」って言って皇帝のご機嫌取りしてたし)
ちなみに現実で日本の男女平等ランキング2019は153カ国中121位と先進国どころか過去最低の順位でございます(中国や韓国やアラブよりも下)
でもここまで完璧に女装ができるとか、つい最近思いついて急ごしらえでやったとは思えないと言うか・・・・・・もしかして女装が趣味だったりする?
いや、これは流石に勘違いかもしれないけど、医療マンガで発達障害者が主人公だし、サヴァン症候群の祐甫もいるから、セクシャルマイノリティの人がいてもおかしくないかなーと思ったんで(汗)
昔の自分の職場にも性別は男だけど内面は女って言うトランスジェンダーの人がいたけど、マジで普通の女よりよっぽど美人で、どこからどう見ても女にしか見えませんでしたからな(制服は当然女もの)



5巻はこんな感じかな。
胡葉と景雲は完全に別行動になりましたが、前から思ってたけど、この作品って胡葉が主人公で景雲がヒーローじゃなくて、胡葉と景雲のW主人公って印象。
ゲームとかだと胡葉ルート、景雲ルートって感じで、それぞれの視点で話を進めていくって感じになりそう。


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