クズの本懐を読んでみました
2020/08/10 13:09:16 |
その他 |
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『報われない恋、切ない恋、片想い。それってそんなに美しいものですか?』
YouTubeでアニメのPVを観て「クズってどんなん?」と気になり、こういう人のドス黒い部分とかを掘り下げた話が好きなので、漫画の方を読んでみました(酷い理由)
公式サイト:https://www.kuzunohonkai.com/
主人公の安楽岡花火は、同じ学校の粟屋麦と交際しており、誰もが羨む理想の美男美女カップル。
だが、2人は他に好きな人がいて、花火は兄貴分の鳴海、麦は元家庭教師の茜が好きで、その2人は花火達の学校の先生となり、急接近。
花火と麦はお互いに自分と同じものを感じ、『お互いを好きにならない事』『どちらかの恋が実ったら別れる事』『お互いの身体的(性的)な欲求にはどんな時でも受け入れる事』と危うい条件のうえで付き合っているフリをしているだけだった・・・って話。
OPとEDの曲がカッコイイです。
思わずデジタルミュージック買ってしまったよ。
でもアニメは未視聴です(笑)
原作が気になる人は自分で調べてね。
いや、1巻の表紙は花火の下着がモロ見えだから、ブログに乗せるのは憚られたんだよ(汗)
以下、ネタバレ。
あと恋に関して夢をぶち壊す発言もあるので注意。
まず思った事は、「メインキャラの大半がメンヘラじゃねーか(汗」でした。
健全なのは最可と鳴海くらいしかいねぇ・・・。
いやまぁ、タイトルからして当然なのかもしれんけど。
花火は鳴海に恋をすると同時に父親を求めている感じがした。
小さい女の子にありがちな「大きくなったらパパと結婚する~」と、近所の優しくてカッコイイお兄さんに憧れるってのが合体して、更にこじらせた的な恋と言うか(汗)
実際、花火の父親は浮気して家を出て行ってしまい、鳴海が兄と同時に父親代わりをやってた様なもんだし。
あそこまで精神的に脆いのも、やはり父親に捨てられたのが一番の原因だろうよ(汗)
んで、よく道を踏み外そうとする花火に幼い花火が警告してきてたけど、あれは花火の理性、良心と言うか、心の声なんでしょうな。
まぁ、「茜に勝つ事で優越感を得たい」と言う酷い理由で、色んな男を自分の取り巻き(所謂逆ハーレム)にしようとしてたから、そりゃ理性&良心は止めようとするわな(汗)
まだ鳴海以外の男はどうでもいいと思ってた頃の方がマシだわ(それはそれで問題なんだけど)
でも「興味ない人から向けられる好意ほど気持ち悪いものはない」と言う台詞にはちょっと同意してしまうな(苦笑)
「友達になりたい」と言う好意ならそんな事思わないんだけどね。
麦の最終的に欲望に流されてしまうところは、思春期の男子にはよくある事なんじゃないかと(汗)
あと、絶対に手に入らないものを欲しがるタイプですな。
絶対に手に入らないとわかってるから余計に燃えて追いかけ(花火&茜)、絶対に手に入るものには興味がない(最可)
まぁ、最可とできなかったのは、最可があまりにも真っ直ぐで確固たる自分の意志を持った存在だから、クズで醜い優柔不断な自分には立派過ぎて、穢してはいけない存在と思ったのもあるんじゃないかと。
茜を必死に変えようとするのも、絶対に変わらないと深層意識ではわかっているから、安心して変える事に必死になれて、自分の孤独や醜い部分の直視を避けられるし、そんな健気な自分に酔えるからと言うか・・・(汗)
そもそも自分の言動が他人に影響を与える事はあるが、他人を意図的に変えようとしても、相手に変わる気がないならやるだけ無駄だし(相手に変わる気があるなら自分が何もしなくてもとっくに変わる為の行動してる筈だもん)
相手を変えようとするのは結局「相手を自分の思い通りにしたい」って言う理想の押し付けや支配欲でしかないんですよね。
早苗が同性愛者なのは別に気にしないが、いきなり襲うのは引くわ(汗)
いや、同性だろうと異性だろうと、友人だと信じてた人からいきなり襲われたら引くだろ。
でも、世間の大半は異性愛者だから、同性愛者は好きになった人に恋愛対象として見てもらう事が相当難しいんでしょうな。
自分の後輩の女子も、女の子に告白された事があるが、異性愛者だったのでふったって言ってたし。
そんなハンデがあるからかはわからんが、花火の弱みにつけこもうとしたわけだけど、早苗は自分に自信がない故に本当の自分を知られる事を極端に恐れているから、身体だけの薄っぺらい友達以下の繋がりになってしまい、最終的には一切の交流を絶つほどの破局を迎えてしまったと。
花火が「友達に戻りたい」と図々しくなきゃ、一生知人以下のままだったでしょうよ(汗)
ってか、自分的には早苗は花火より篤也くっついた方が幸せになれるんじゃね?と思ってたけどね(最終的には同性愛者の女性とくっついたみたいだけど)
まぁ、篤也は孤高の早苗に惹かれていて、深層意識では孤独でいて欲しいとも思っていたし、同時に早苗に幸せになって欲しいとも思っていたから、彼女の全てを受け入れたうえで幸せを考えると身を引くしかないわな(汗)
つーか、篤也は損な役回りだと思う。
最可は唯我独尊キャラではあるが、同時に常に理想の自分であろうとする努力家って印象。
お調子者ではあるが、少なくとも高校生メンバーの中では一番達観してると思う。
最可の心の声は子供だった花火と違って実年齢そのままだったし。
最初は周囲からお似合いと言われて、麦は王子様みたいにカッコイイからきっと自分にふさわしい人と思ってたレベルだけど、接しているうちにいつの間にか麦がどんなにクズでも受け入れるほど好きになってたって感じかな。
とにかく花火と麦と早苗は自分のトキメキや恋を美化し過ぎと言うか、神格化し過ぎ(汗)
いやまぁ、誰しもそういう部分はあると思うが、この3人はちょっと異常。
「自分がこんなに好きなんだから、これはきっと運命に違いない」と勘違いしたり・・・。
あと、生きるだけで精一杯で恋愛する精神的余裕もないのに、無理矢理身体の関係を持つ事で孤独を紛らわせようと、結果的に自分も相手も傷つける様な行為が生々しくて痛々しい。
思春期特有の危うさと言うか・・・この頃って『性欲からくる情熱的な恋』を『愛』と勘違いしがちだからな(汗)
しかも思春期ってホルモンの激変によって精神的に不安定になりやすいから、余計に暴走しがちなんですよね。
おまけにそういった類のものを「純愛」とかメディアや作品がほざき、勘違いさせる様な風潮もあるから余計に・・・。
でも、3人みたいな恋を神格化し、自分の内面の直視を避けるタイプは、好きな人と実際両思いになると「何か思ってたのと違った」とか「好きな人に本当の自分を知られて嫌われたくない」とか「相手がいい意味で変わったら興味を失った」とか、理想と現実のギャップを埋められなくて結局破局しそうな気がするけどな。
そもそも恋って、本人の育った環境によってはろくでもない相手に惹かれやすくなる危ういものだし(子は無意識に親と似た人に惹かれるので、DVの父を持つ人は似た様な暴力的な男に惹かれたり、親が浮気性やアルコール依存症だったらやはりそういうタイプに惹かれて両親の様な関係を再現する)
茜は自分の外見や身体には滅茶苦茶自信があるけど、同時に内面にはまったく自信がなく、他人を通してしか自分の存在価値を図れない典型ですな(だから自分にとっての理想の自分ではなく、他人にとっての理想の自分を演じる)
ってか「他人(異性)から向けられる好意ほど気持ちのいいものなんてない」とか、まんまなろう小説とか恋愛ADVゲームにのめりこむキモオタ&夢厨じゃん(汗)
内面に自信がないから他者から求められ、同性の嫉妬を煽って優越感を得る事で、自分は周りよりも優れた幸せな存在なんだと思い込もうとしてるところとか、なろう系、恋愛ADVの趣旨そのものだろ。
「誰もが羨むものを当たり前の様に手に入れ、捨てる事ができる私は幸せでしょ?不幸じゃないでしょ?自分じゃよくわからないから羨ましがって実感させてよ」って言ってる様に見えた。
高校時代、自分の友人にも何人かいたなー(汗)
何人もの異性と性的な関係を持ってて、浮気やらとっかえひっかえやらしてて、「あんたら、本当にそれでいいのか?(汗」と問いたくなった女友達が・・・。
自分は恋愛する精神的余裕なんてなかったし、彼氏作るよりも絵を描いたり、漫画アニメゲームを楽しんだり、男女関係なく皆で遊ぶ方が好きだったし、ちょっと気になっても軽々しくつきあうとかできない奴だったので(重い女である)、仲がいい男友達は数名いても、結局誰ともつきあわんかったから、ヘタに口出しできなかったけど(つきあった事もないヤツに何がわかるとか言われそうだったし)
クズの本懐を見てると、それを貫いて良かったとつくづく思う(汗)
その女友達は卒業後もよく一緒にご飯とか食べに行ったけど、やはり色んな男と関係を持ったり、年上の男と同棲(しかし女友達は結婚を望んでいたが相手の男は結婚する気ゼロ)したりと、めっちゃ迷走してました(汗)
ちなみに彼女の母親もそんな感じだったらしいです、はい(正に子は親の鏡)
茜みたいに誰とでも性行為をする女を受け入れる鳴海みたいな男は存在しないとか思われそうだけど、ぶっちゃけ実在します。
だって、茜と鳴海の言動って、自分がよくオススメする心理学の本に出てきた実在するカウンセリング患者の1人とその恋人にそっくりだし(↓)
裕福だけど家庭環境が劣悪だったせいで自尊心が滅茶苦茶低く、承認欲求を満たす為に色んな男の関心を他から自分に向けさせようと躍起になって性的に誘惑し、妻子持ちの男と不倫をしたけど、結局捨てられて自殺をはかってカウンセリングを受ける事になった女性と、その女性が精神的に健康になったあとに女性の過去を全て受け入れたうえで好きだと言って、性的な見返りは求めずに求婚した男性に本当にそっくりです。
男性が誠実故に女性に「いい人だけど燃えるものがないから彼とは長く続かなさそう」と切り捨てられそうになったところも同じ過ぎる(だがカウンセラーに「そういう男性と付き合う練習も必要だ」と言われて交際したら滅茶苦茶順調で結婚まで行った)
二次元だとアルトネリコ2ってRPGで、貧乏故に性行為はないがいかがわしいと言われる職業(あくまでその世界観では)に就いている幼馴染で恋人のメインヒロインに打算的に利用されて(まぁヒモ関係ではあったが)こっぴどく振られたのに、「それでも護りたい」と未練がましくついて行って、最終的に彼女の全てを受け入れたうえで復縁した主人公がいたし(そしてメインヒロインは茜みたいに「あんなに酷い事言ったのにおかしいよ」と戸惑っていた)
そんな良くも悪くも人間臭いメインヒロインが大好きだと言う男性ユーザーもたくさんいたし。
自分の周囲でも、3股掛けてた女友達が好きな男友達がいたけど、彼女がそういう女だとわかってても好きだと言って、結局ふられてたし(そして自分と友人達で励ました思い出)
鳴海は麦みたいに茜を変えようとしたんじゃなくて、ただ素直に茜と向き合って全てを受け入れたから、茜も素直にならざるを得なくて、自尊心を取り戻して素の自分を晒し、自分を大事にする様になっただけだし。
そもそも鳴海は「あなたを変えたい」とか「あなたが変わってくれれば幸せになれるのに」とか一度も思ってなかったし、表面の猫被って男漁りをしてるところも、内面のやさぐれた子供みたいなところも全部ひっくるめた茜が好きだし、茜が自分から離れて行っても茜の意志を尊重すると、あるがままを受け入れているだけって感じ(「どんなに好きな相手でも少しずつ壊れて一緒にいられなくなる事もある」と言ってたし)
それも無自覚だけど自分に自信があって、人生が充実している故に一つの事に執着する必要がないし、充分満たされてるから他人に分け与える余裕があるのかと。
あと、元々好きな人とは一緒にいるだけで楽しくて充実感を感じるタイプなんだと思う。
大事なのは心の繋がりで、性行為はせいぜい恋人同士のコミュニケーションの一つだから、しなくても問題ないし、相手が笑顔でいてくれる事が一番の幸せとか考えてそう(麦は結局茜との性行為はやめられず見返りを求めてたし)
大体こんな印象だったかな。
純愛だったのは最可と鳴海だけで(最可も若干危なかったが)、あとは自分の理性や性欲をコントロールできず、心の通った交流の仕方がわからなくて戸惑う小さな子供って感じ(その子供っぽさが純粋に見えるだけ)
花火と麦は、似てるが故に一緒にいるうちにお互いに愛着がわいて本当に好きになったけど、「このままつきあっても依存し合ったままで変われない」と思い、一度別れたんでしょうな。
んでラストで再会し、「自分の力で人生を充実させて成長してから改めて交際したい」と決意して、やっと純愛になったって感じ。
とにかく、自分の心の虚しさを恋愛で埋めようとするのはやめて、孤独と自分の心の声に向き合えと作者は言いたかったんかと思います。
恋愛だけだと結局内面を成長させる事をせず、一生自分に自信が持てないままだし、それが原因でトラブルが起きて結局不幸になるし。
さっき紹介した本の著者のカウンセラーもこう言ってたし(↓)
「取り憑かれたようになる事が愛ではないのよ。それは強迫観念にすぎないの」
「興奮、不安な予感、恐れの様な強い感情は全て『愛』と呼ばれる強力な包みの中身に思えるのよ。本当は愛でも何でもないのだけれど」
「フェアな愛の関係性がどんなに楽で快適かなんて歌を作る人はいやしないわ。不安や恐れや失ったもの、心を痛めるものばかりを歌にするのよ。だから皆それを愛と呼ぶわけ」
あと、めんどくさい事に片思いや不倫など、夢中になり、心囚われていた方が性的興奮も激しいので性行為は上手くいきやすく、逆にお互いを信頼し合った関係の性行為はそこまで盛り上がらないので、余計に勘違いしやすいと言っていた。
最近は『恋!ハーレム!才能!』って感じの作品が持て囃されて多いけど、結局は馬鹿にされがちな『愛!友情!努力!』が真理なんだと思います。はい。
プロフィール
Author:知実
ゲーム好きだがツッコミ気質な毒舌家で厨二っぽいところがある残念な女。
基本的に遠慮なく言いたい放題言っているので、読むのは自己責任でお願いします。
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