殺人探偵ジャック・ザ・リッパー 「天使の救済」 感想
2019/05/02 11:30:44 |
推理ゲーム |
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10連休だろうが令和だろうが、いつもと変わらない生活の自分(笑)
以下、2章の感想。
ネタバレ注意。
今回はローリィ中心の話。

ローリィの姉代わりであり、母親代わりでもある元家庭教師のミシェルが、何やら生活に困っている様なので、家族として助けたいと言うローリィだが、自分はもう組織を抜けたからとミシェルは断る。
それでも心配するローリィに依頼されてミシェルを調べるアーサーだが、ミシェルは『サルーフ福音教団』と言う宗教にて『浄罪符』と言う高額の紙を買っていて、その為にローリィの組織の傘下の金貸しから借金をしている事が明らかに。
教団の教会に潜入すると、広告塔であるザフカに必死に縋るミシェルや信者達は喜捨(寄付)をして奥の個室に入っていきますが、そこが正に地獄絵図だった・・・(汗)

信者達の様子に「この煙、もしかして麻薬なんじゃ・・・(汗」と思ったら案の定だった。
教団が高額な喜捨と引き換えに配っている『浄罪符』も麻薬が染み込んだ紙切れだったと。
この教団はロンドン市警も目をつけていたらしく、ハリーに喧嘩売られつつも何とか情報を引き出すアーサー。

どうやら信者達は激しい痛みが伴う病気持ちだが、治療を受けられるほどのお金がないので、その痛みを誤魔化す為に宗教の癒しの奇跡(麻薬)を頼っていたと。
よく麻薬の犯罪は辛い現実から目を逸らしたい人を標的に利用される場合が多いですよね。
中国じゃそれで戦争まで起こって、現在じゃ麻薬犯罪は死刑なんでしたっけ?(汗)
んで、麻薬によって死んだ信者は、「医学の発展の為」と病院に検体として売りさばく教団。
本当、よくそういうえげつない儲け話を思いつくなとある意味感心ですよ(真似したいとは思わんが)

でも、本当にお金がなくて苦しむ信者にこっそり浄罪符をあげちゃう辺り、ザフカの人を助けたいと言う気持ちに嘘はないんでしょうな。
ただ、「自分は崇高な使命を果たしている」と酔ってて、実際はどれだけ恐ろしい事をしているか本気で気付いてないみたいだけど(汗)
しかも実際それで信者達は救われてしまっているからな・・・。
んで、事情を知ったローリィは「教団に関わっちゃいけない」「借金や病院は自分が何とかするから組織に戻ろう」と、副首領としての立場が危うくなっても何度も必死に説得するが、ミシェルは冷たく突き放す。

ミシェル的には余計なお世話だってのもあるが、これ以上自分に関わろうとするとローリィが身が危険だから、あえて突き放したってのもありそう。

『痛みは人の生きる気力を奪う』 by 無痛~診える目~
いや、マジで無痛(医療サスペンスドラマ)の2話を髣髴とさせる話です。
『人は、痛みなしに生きられるか』
主人公の為頼英介は小さな診療所を営む医者だが、見ただけで相手の病気を判断できる能力を持っており、殺人の徴候である「犯因症」(所謂犯罪者予備軍)までわかってしまう能力を持っていた。
医者と刑事のコンビが殺人事件を解決する医療サスペンスドラマです。
んで、ボスである父ライオネルに「ファミリーとしてミシェルを助けるべきだ」と掛け合うローリィに対し、ライオネルはミシェルの借金相手である金貸しもまたファミリーだし、しかもそのお金を非合法の麻薬に使っているとなると、ミシェルにはファミリーとしてけじめをつけさせるか、赤の他人として見捨てるかのどちらかしかないと一蹴。

そうですね。
上に立つ者が特定の者を特別扱いをするわけにはいかんです。
何故なら・・・、

こういう面倒な事になるからです。
ザフカが一人の男に浄罪符を後払いで渡してしまったせいで、それを知った他の信者達は「あいつだけずるい!」「だったら自分にも!」と詰め寄る。
一人だけ特別扱いすると、「贔屓だ」「差別だ」と暴動騒ぎになるから、「皆平等に」と言うルールが存在するわけだし、「少しくらい大丈夫だろ」なんて甘い考えはトラブルの元にしかならんのですよね(汗)
かと言って、あの場合はあそこで突っぱねるのも酷ってものだし、ザフカ個人で判断せずに、他の人に相談してみるべきだったかもしれませんな。
でも黒幕のアドラメルクは強欲でケチだから平気で見捨てそうだしなー(汗)
この場はアーサーやロンドン市警によるガサ入れによって有耶無耶になりましたが、あのまま邪魔が入らなければ暴動騒ぎになって、教団の運営が危うくなるか、もしくはこの場の信者達は「運営の邪魔」と捕まって殺されて死体を金に換えられてたかもしれませんな。

自分はそんなお金で食うご飯は不味くてあまり喉を通らなさそうだな・・・(汗)
でもお金を使っている間はそういった事も忘れられるし、気兼ねなく使っている時の快感をもう一度と思うとやめられないんかね?
まぁ、かと言って罪悪感を感じたくないから「騙される方が悪い」って責任転嫁するんでしょうけど。

んで、往生際の悪いアドラメルクが火を放ったせいで、浄罪符は全部燃えてしまい、信者達は病気の痛みと絶望のあまりに発狂してショック死してしまい、信者達を説得して救おうと考えていたアーサーは愕然。

ガサ入れする前にアーサーが「皆は騙されているんだ!だから説得して自首させよう!」的な事を言って意気込んでた時、自分は「いや~、信者達の身の上を考えると無理じゃね?(汗」と冷めた反応をしてました。
多分皆本当はわかってて、それでも痛みに耐えられなかったから騙されているふりをしているだけだと思ったし、そんじょそこらの探偵が「皆騙されてる。目を覚ませ」と言ったくらいでやめるなら、ここまで深刻化してないと思うし(妹分だったローリィでさえミシェルを説得できなかったんだから)
別の医療機関で治療を受けられる準備くらいしないと、根本的な解決にはならないだろ。
そもそも末期患者だから治る見込みもないし、死ぬまで鎮痛剤を打たないといけないし、そこまでお金を持ってないから宗教の麻薬に縋る様になったんだし、どっちにしろ詰んでいた・・・(汗)

アーサーの思い通りにはならないだろうとは思ったが、まさか全員ショック死とか悲惨なオチになるとは思わんかった(汗)
せいぜい「余計なお世話だ」とか「奇跡を取り上げて痛みや苦しみを我慢しろって言うのか。この悪魔」と罵倒されまくる展開かと思ってたので。
正しい事”だけ”をすれば皆が幸せになれるわけじゃないとは思っていたが、幸せどころが地獄絵図とかアーサー罪悪感半端ないでしょうな。
ジャックが「お前はよくやった」と慰めても意気消沈状態。
一方、ローリィはミシェルを自分の手で殺す事に。

自分の立場やミシェルの気持ちを考えて、あのままミシェルを見捨てて苦しみを長引かせるくらいなら、自分が家族としてけじめをつけた方がいいとローリィは思ったんでしょうな。
あと、やっぱミシェルは浄罪符が麻薬だと気付いていたが、それでも痛みに耐えられなかったから使用していたし、他の信者も恐らくそうだったと言ってましたな。
医療は何に関してもお金が掛かるし、運営や採算とかを考えると貧乏人を切り捨てなきゃいけないところは現代にもあるって聞いた。

「正しいかどうかは関係なく、行動した事が大事」とある程度は割り切ったローリィに対し、ずっと「自分は正しい事をしたんだろうか」と悩み続けているアーサー。
法律や今後の被害を防げたと考えれば『正しい』と言えるし、信者達の立場や心理的な状況を考えれば『間違っていた』とも言えると思う。

んで、アドラメルクはある組織による圧力で警視庁預かりとなったが、組織に見放されて護送中に暗殺される。
組織的には、事件の規模を考えたらアドラメルクを守って組織が危うくなるくらいなら、さっさと暗殺して無関係を決め込んだ方が安全と思ったんでしょうな。
一方、ザフカはアドラメルクの傀儡に過ぎず、組織とは接点がない為、無事生存。

ザフカの人を助けたいと言う気持ちに嘘はないが、同時に自分の歌を聞いて欲しかった、自分を見て欲しかった、必要とされたかったって気持ちもありそう・・・うん、メサコンだな。
彼の設定を見ると、去勢とかかなりえげつない壮絶人生だし・・・(汗)
宗教を作るにしても、麻薬による誤魔化しではなく、貧乏人や末期患者でも利用できる様な医療機関を作り、ザフカはその広告塔になるべきだったんだろうなーと思う。
まぁ、それだと膨大な資金が必要になるし、黒字なんて見込めないから、あのケチケチ議員が同意してくれるなんて思えないけど・・・(汗)

正しさなんて人や状況によって変わる曖昧なものだし、世の中は正しい事と正しくない事だけの二元論でできているわけじゃありませんからな。
正しいかどうかではなく、どうすれば自分も皆も幸せになれるかを考える事が大事なんじゃないかと個人的に思う。
殺人鬼ルートでは、教団のトップを殺す為にジャックに身体を貸すアーサー。

前回は止むを得ず殺した感じですが、今回はアーサーからジャックに殺しを依頼しているせいか、殺人鬼モードもノリノリである。

教団関係者を容赦なく殺していくジャックですが、アーサーもまったく止めない辺り、完全に同調しちゃってるんでしょうな(汗)
んで、結局アドラメルクが放火して火事になり、探偵ルートではアーサーに助言されたザフカの指揮の元、ロンドン市警と信者達で消火活動ですが、今回はアーサーもロンドン市警もいないのでザフカはどうすればいいかわからずあたふたしてて、おまけに信者達は麻薬で痛覚が麻痺してて、脳の中枢神経をやられてたせいか、皆喜んで火にの中に身を投じ、集団焼身自殺。
それを見たザフカも壊れてしまったのか、『死による救い』が存在するのだと豪語。

・・・え?
あんた前章でメリルを殺してたじゃん(汗)
いや、殺ったのはジャックだけど、アーサーも完全に否定しきれてなかったし(殺人鬼ルート故に否定したらBADED直行だったので仕方ないが)
でもまぁ、ザフカと言う通り、ぶっちゃけアーサーもザフカと同類だわな。
アーサーは「自分は違う」と言っていましたが、『解決方法=殺人』『殺せば皆が幸せになれる』って考えは同じなわけだし。

そしてザフカも信者達と同様に焼身自殺。
トップを殺せば皆を救えると思い込んでただけに、結局誰も救えなかったアーサーはやっぱり意気消沈。
生存者がいない辺り、探偵ルートよりも悲惨な結末ですな(当たり前だけど)
続く。
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