劇場版ポケットモンスター みんなの物語 感想

2019/01/07 17:15:11 | 映画 | コメント:-件

先日、映画ポケモンの『みんなの物語』のDVDを買いました。

 

兄がポケモン好きで、母は付添いで映画館に観に行ってたのですが、ポケモン映画はいつも兄の付添いだけで興味ない母も「感動系で結構面白かったよ」と言ってましたな。
自分もね・・・観に行きたかったんだけどね・・・熱中症でダウンしてたので行けなかったのよ(汗)



シナリオに『CHAOS;CHILD』のメインライターの梅原さんが関わっていると聞き、CHAOS;CHILDのシナリオは売れる為の媚びや派手な話題性よりも、人の心理に焦点を当てたストーリー重視の(ってかオタクの現実逃避を容赦なくぶった切る)シナリオだったので、かなり好きだったからポケモン映画も観ようと思ってて、マジで行けなくてショックだった・・・orz


以下、感想とかキャラ考察とか。
ネタバレ含むので注意。

・サトシ
今回のサトシは達観してて、皆のサポートキャラと言う印象でしたな。
リサのイーブイゲットを指南したり、ゲットしたばかりのイーブイにそっぽ向かれたリサを見た時とか、「俺とピカチュウも最初はあんな感じだったよなー」って感じで励ますところとか先輩っぽかった。

サトシの熱血馬鹿なところが、他キャラの暗い闇を照らすって感じで正に太陽。
やっぱ、こういう良い意味で馬鹿なキャラが救いになるんですよね。
それにサトシは口だけじゃなくて、実際にピカチュウを信頼してて、大会の勝敗を無視してバンギラスをピカチュウとのコンビネーションで助けたりと行動してるから、説得力があるし。
サトシくんマジイケメン。


・ラルゴ
ゼラオラを護りたい気持ちはわかるんだけど、護り方が間違ってますな(汗)
大会中止にする為に、街のあちこちに悪戯したり、聖火盗んで妨害したりと、街の人間全員に迷惑掛けちゃあかんて。
聖火盗んだせいでルギアが呼べず、山火事が更に悪化と大惨事になるし。
ああいう惨事って、何の前ぶれもなく突然来るから、「聖火はあとで返せば大丈夫だろう」と言う考えは甘かったって事ですな。

ってか、あんな幼いのに、祭りの再開に笑顔で「良かった」と言っておきながら、内心は祭りをぶっ壊す事を考えていて周囲を騙していたとか、ある意味末恐ろしい子だな(汗)
市長が最初からゼラオラの事を話していれば(話を強制終了しちゃうからラルゴも突っ走っちゃったわけだし)、ラルゴも誰かに相談していれば、あそこまで大惨事にならなかったんだろうな。

まぁ、かと言って二人はゼラオラの身を案じてやった事だから、一概に責められるものでもないんですがね。
それに、この事件のおかげで人間とポケモンの絆も深まったし、過去や弱い自分を乗り越える事ができた人達もいるわけだし、悪い事ばかりでもなかったわけですからね。


・ゼラオラ
ラルゴを守ろうとする姿がイケメン過ぎる。
ゼラオラの人間不信になった原因が妙にリアルと言うか、人間同士でも普通にあると思う。
一部の欲深い奴が、承認欲求とか欲望を満たす為に、ポケモンの気持ちを考えずにやらかした事のせいで、「人間は”皆”あんな風に自分勝手なんだ」と一括りに考えちゃうとかね。
被害が悲惨だっただけに、サトシが「人間にもいい奴はいる」って言っても、「信じられるかボケ!」ってなるのは当然だから、やっぱ根気よく歩み寄るしかないんですよね。
ラルゴのやった事は褒められた事ではないけど、逆にあそこまでやったからゼラオラも「ラルゴならもしかしたら・・・」って思えたんだろうし(他にも方法はあったと言ってしまえばそれまでだが)


・リサ
今まで努力で築き上げたものがいっぺんにぶっ壊れて、足が治っても「でも前の様な記録が残せるとは限らないし・・・」って感じで、自分の能力が落ちた事を突きつけられるのが怖くなったって感じかな。
序盤の陸上部の練習見てる時とか、発表会の混乱で戸惑ってる時とか、毎回「私も走りたいけど、でも・・・」って感じで暗かったし。

でも、イーブイゲットのポケモンバトルやってる時や、聖火を戻す為に走ってる時のリサは、普段に比べるととても生き生きしてたから、やっぱリサは身体を動かす事が心底好きなんじゃないかと思う。
イーブイが「自分も頑張るから、リサももう一度頑張ってみよう?」って感じで促してくれたおかげですな。

「上手くいくかわからないし、お金とか時間とかで損をしたくないからから始められない」と思っても、いざ始めてみたら凄く楽しくて充実した時間を過ごせたとか、よくある事だよね(ギャンブルとかガチャは充実ではなく快感なのでやらない方が身の為ですよ)
上手くいくかどうかじゃなくて、自分がそれを好きなのか、楽しめるかどうかが大事なんじゃないかと個人的に思う。

ってか、怪我で走る事が怖くなった事と言い、人混みでイーブイが怪我した時の泣きそうな動揺っぷりからして、内面は結構繊細なのかもしれん。


・リク
弟よ、風祭りの様子が知りたいのはわかるが、盗撮は立派な犯罪です。
正直にカメラ付きサングラスで「風祭りの動画撮影してきて欲しい」と言えばいいものを・・・(汗)
ポケランチャンネルの司会者も「あれ?何か弟の声に似てね?」とは思ったけど、本人だったとは・・・ってか序盤もよく見ると、PC画面に動画サイトに何かアップロードしてたんですよね。
ちゃんと伏線は張ってあったんですな。


・トリト
「自分はコミュ障の駄目な奴」と自分に自信がない様ですが、怪我したイーブイに泣きそうなリサに真っ先に駆け寄り、冷静に治療する姿は頼もしく見えたし、聖火盗難事件の際に科学を駆使して犯人を追う姿は鑑識官みたいで有能だと思った。

でも、ただでさえ自信がないのに、その上何でも自分で背負い込もうとするから、益々苦しくなる悪循環に陥ってるなと思った。
まぁ、「他の人に迷惑掛けちゃいけない」って考えて、それで何でも一人で解決しようとしちゃうんだろうけど、一人でやれる事には限界があるからね。
あと、「頼ろうとしたら嫌な顔をされるかも・・・」って感じで、人を信じられないってのもありそう。
普段からすぐ頼ろうとする他力本願な奴なら嫌な顔もされるでしょうが、一生懸命努力する人に頼まれて嫌な顔をするほど心の狭い人もあまりいないと思いますがね(逆に言えば「相手は心の狭い奴」と決め付けてる様なもの)

少なくともトリトを気に掛けていた同僚は、トリトの努力家なところをちゃんと見ていて、「もっと頼っていいんだ」って言ってくれてたわけで、ただトリトが「自分は周りから嫌われている」と思い込んでいただけだし。
ラッキーは周囲をよく見てて同僚の気持ちをわかってたから「勇気出して頼め」と後押しできたんでしょうな。ラッキーさんマジお母さん。

自分が頼られる側の立場になって考えてみれば、結構答えはあっさり出るものなんですよね。
人間が考える事なんて価値観の違いはあっても、根本的な部分は大体同じなんだから。
生きているうえで他人に迷惑を掛けちゃうのは仕方のない事なんだから、迷惑を掛けた分だけ誰かに迷惑を掛けられた時に自分も助ける様にすれば気が楽になるってものよ。


・カガチ
ホラ吹きっぷりは見てて痛々しく、妹と同様に心配してたら案の定の展開だった・・・(汗)
嘘をついていると、周囲にとってはそれが本当になってしまい、嘘がバレようもんなら嘘で築いたものが全てぶっ壊れるから、嘘をつけばつくほど本当の事が言い出せなくなり、益々自分の首を絞める挙句、場合によっちゃそれがストレスになって精神的な病気を引き起こすし、バレた時の信用ガタ落ちぶりも半端ないからね。
ってか、カガチは嘘をつかんでも普通にリリィを喜ばせる事ができてたんだし、リリィも何でもできる凄いカガチ(嘘)じゃなくて、自分を大切に扱ってくれるカガチが大好きなんだから、嘘をつく必要なんてなかったのにな。
ポケモンを持ってない事も正直に言って、一緒にゲットしに行こうとでも言えば、リリィも喜んだだろうに。
多分、カッコいいところも情けないところもある本当の自分ではなく、全てがカッコ良くて立派な自分を見せたくて嘘をついたんだろうけど、そんなんいずれ絶対バレるからな。
ありのままで頑張る事が大事だよ、うん(ありのままで努力しなくていいと言う事ではない)
まぁ、かと言って正直なだけじゃ相手を傷付ける事もあるし、相手を気遣う為の嘘もあるから、嘘の全てが悪い事ってわけでもないけどね。
その嘘は自分の為なのか、相手の為なのか、よく考える必要があるし、自分を守る為だけの嘘ならつかない方がいいって事だと思います。
「リリィを”助けられるかどうか”じゃねえ!”助けたいかどうか”だろ!ってか助けるんだよ!」って感じで喝を入れるウソッキーはマジ男前。

トリトとカガチは現実に結構いそうなタイプだよなと思った(特にオタクとかSNS漬けの人とか)


・ヒスイ
相棒のブルーを火災事故で失い、「また失って絶望するのが怖いから、失う前に突き放す」と考える様になって、ポケモンから距離を置くようになったと。
物欲的な意味だったらそれでいいんだろうけど、人や生き物との関係でそれは心が擦れるからな(汗)

でも発表会でパニックを起こしてるトリトとか、怪我したイーブイを心配するリサとかを気に掛けている辺り、基本的には面倒見がいいと言うか、放っておけない性分なんだろうなと思う。
だからこそ余計に感情移入して、失った時のショックもでかいんかなと。

ってかブルーからしても、自分のせいでヒスイがポケモンとの交流を一切絶つようになったとか普通に悲しいよな・・・(汗)
偶然とは言え、トリトの作った薬は荒療治ではあるが、ヒスイのトラウマ克服にはピッタリだったと。
昔はブルーが自ら犠牲になってしまったけど、今はたくさんのポケモンが力になってくれるから、誰も犠牲になる必要なんかないって感じで。

逆に考えれば、「自分が犠牲になれば誰も傷付かないし、迷惑も掛けない」と言う考えは、少しでも自分を思ってくれる周りの人間を傷付けるって事ですな。
実際、そこまで親しくなくても知人が死ぬって結構ショックですからね・・・(汗)


・ロケット団
今回は悪の組織よりも、ジュース屋としての活躍の方が目立ってましたな。
もうあんたら、それを本職にした方がいいんじゃないか?
滅茶苦茶楽しんでる様に見えたし、絶対そっちの方が向いてると思うぞ(笑)


ひとまずこんな感じかな。
伝説のポケモン(ルギア)の力があれば、今回の事件は特に苦労する事もなくあっさり解決できただろうけど、最初からポケモンの力に頼る事を前提にして何もしない人間じゃ、伝説のポケモンも「他力本願なのもいい加減にしろ。俺はお前らの道具じゃねえ」と力を貸す気にもならんだろうから(少なくとも自分はイラつく)、人間とポケモンと協力して頑張って、その上でルギアに助けを求めるって展開は個人的に良かった。

主題歌も歌詞がシナリオに合わせてて名曲だったし。



「ネガティブに悩む事も含めた全てが自分だし、悩み苦しむ事も成長には必要な要素」とか、「いつの間にか他人の言葉に流されない様に自分自身の感性を大事にしろ」とか。
後者はアニメ版CHAOS;CHILD主題歌(↓)である『Uncontrollable(いとうかなこ)』でも似た様な事言ってましたな。



今までの自分の経験と考えた末の言動じゃなくて、誰かがそう言ってたし、皆もそう言ってるからと、意味をちゃんと理解せず知ったような口をきいて生き方を選ぶのは情弱だと。

ブレスはPV映像もあえて子供に撮らせて、自然に交流するところを撮るのが、人との繋がりを表現できてて良いと思う。
自分も職業上、職場にによく小さい子供が来ますが、ああやって交流してると小難しい理屈抜きで楽しいし、可愛いと思えるんですよね。


愛!友情!努力!な厨二っぽい話が大好きな自分としては面白かったし、DVD買って良かったと思えました。
ポケモン(友情)パワー!!


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