探偵神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK 感想

2017/10/07 17:09:19 | 推理ゲーム | コメント:0件

すっかり遅くなってしまいましたが、発売日に買った神宮寺三郎の感想。



ストーリーは、主人公の神宮寺がいつも通り『バーかすみ』で飲んでいると、突然顔が真っ青になって震えている青年が店に入ってきた。
不思議に思った神宮寺が事情を訊ねると、西新宿の外れにある屋敷に肝試しに行ったが、そこでホームレスの死体を見つけてしまい、慌てて逃げてきてしまったとの事で、神宮寺が確認しに行くと、確かにそこには一人のホームレスの死体があった。
最初はそのホームレスの死の真相を調べる神宮寺だが、次第にその洋館に隠された大きな闇に迫っていく・・・って感じかな。



設定とか伏線とかよく練られてたし、登場人物達や黒幕の心理も掘り下げられてて、推理ものとしても人間ドラマとしても凄く面白かった。
しかし、今回の神宮寺は黒幕にハメられて殺人容疑で逮捕され、洋子がその容疑を晴らすとか、洋子さんマジ有能過ぎる助手。
もう神宮寺は洋子に足向けて寝られないね(笑)
しかし新キャラの加賀は、そんな洋子の有能ぶりに目を付け、ことある事に公安にスカウト。
ってか個人的に洋子に目を付けたんじゃねえだろうな?洋子は渡さんぞ!
まぁ、洋子は給料とか関係なしに探偵の仕事にやりがいを感じてるし、神宮寺にも惚れ込んでるから、スカウトしても無駄だと思うけどね。
ってか正直、神宮寺と洋子のやりとりが、もはや夫婦にしか見えんのだが・・・(笑)
あと、今回は公安の加賀が警察として神宮寺と一緒に行動する事が多かった為、熊野が後半ほぼ空気だったな・・・(汗)

謎の事件簿は、推理は面白かったんだけど、個人的にキャラが可愛過ぎかなー。
アプリの時のヘンテコなキャラデザの方が、ギャグ要素を盛り上げられたと思う(笑)

あと、個人的にちょっと感動したのが、洋子の声が一番しっくりきた事(笑)
神宮寺(小杉さん)と熊野(立木さん)は違和感ないから毎回固定って感じだけど、洋子だけはどうも合ってないのか毎回違う声だったし。
歴代の声優の演技自体は問題なかったんだけど、声が高過ぎて違和感があったので(声優にこだわりがない自分でさえちょっと微妙だった)、能登さんの知的で落ち着いた女性って感じの声は良かった。


以下、本編の重大なネタバレ。
今回の被害者達を見て、つくづく思うけど・・・神宮寺シリーズっていい人ほどすぐ殺されるよね・・・(汗)
まぁ、元々いい人は悪人の食い物にされやすいけど、都会は欲望の街でもあるから、余計に殺される確立が高くなるんかね?
序盤のホームレス殺害は、小松のストーカーの言い分に呆れました。
「自分が好きになったんだから、相手も自分を好きになってくれる筈。一度襲えば素直に自分を好きになるだろ。それを邪魔した奴は殺されても仕方ないんだ。どうせホームレス如きが死んだって誰も困らないだろ」的な言い分に、変なアダルトコンテンツの見過ぎなんじゃないの?って思った。こじらせたキモオタじゃあるまいし。
自分が好きになった程度で両思いになれるのなら、この世に『失恋』なんて言葉は存在しないだろ(汗)
殺害されたホームレスは思いやりがあって皆に慕われ、赤の他人である小松がストーカーに襲われたところを身を挺して助けたいい人で、殺されていい存在なんかじゃなかったけど、ストーカーにとってはホームレスって事で『社会のゴミ』程度にしか思ってなくて、死んだところで社会に影響なんてないと思ってたんだろうな。
最近こういう損得でしか物事を考えられない人が増えてるから、ある意味ストーカーの理屈はリアルかもしれん(汗)
でも矢上の「その薄汚い口でこれ以上わめくな。外道め」って台詞には、「まったくだよ、これだからストーカーは・・・」と激しく同意しました。
ニュースでアイドルとかにストーカーして問題起こす奴を見る度に呆れるし、自分も昔知らない男に付き纏われたり、家の近くで待ち伏せされた事がありましたが、あれは本当に恐怖だった・・・ってか気持ち悪かった(汗)
一方的な好意は愛じゃなくてストーカーなので、勘違いしないで欲しいものです(溜息)
ってかストーカー達はその人が好きなんじゃなくて、自分にとって都合のいい妄想に相手を当て嵌めているだけで、その人の本当の姿なんて見えてないだろうし、その人が好きな自分に酔ってるだけだろと言いたい。

んでストーカーを逮捕したと思ったら、今度は闇医者だった矢上も殺され、結構気に入っていた自分はショックを受けました(汗)
おまけに殺された原因である屋敷の秘密が怖過ぎる(汗)
自分はアホなので難しい事はあまりわからないけど、信望している者がもたらしてくれるであろう栄誉の為に、人を殺したり、子供を取り上げて利用とか惨過ぎる・・・どこのカルト宗教だ。
証拠隠滅の為に死体を酸の湯船に漬けて梳かすとか、えげつなさ過ぎて絶句しました。
ってか、よくそんな恐ろしい事思いつくうえに実行できるな・・・やっぱ幽霊より生きている人間の方がよっぽど恐ろしいよ・・・(汗)
そりゃいくら命令だからと言って、真っ当な感性を持った矢上に、そんな死者を冒涜する様な真似できんわ(冷汗)
ってか、死体処理はできなくても、よく屋敷に居続ける事ができたな。
自分だったらそんな役押し付けられたら気が狂うわ・・・そして警察に自首するか、もしくは消された方がマシと思うかも(汗)
まぁ、矢上も誤魔化す事で役目を務める事に耐えられても、流石に娘の事に関しては耐えられなかったと。
上からの命令とは言え、不本意で生き別れた一人娘が(おまけに妻はそのショックで半狂乱になって病死)、家出して全国を渡り歩いてまで本当の親を探してたってわかった挙句、目の前で「本当の親に会いたい」なんて泣かれたら、そりゃ「自分が本当の親だよ」って名乗り出たくなるわな(汗)

美沙都も議員の娘として育てられて、お金には不自由しなかったんだろうけど、その代わりいつも孤独だったと。
おまけに自分は本当はよそ様の娘で、父が祖父の権力を利用する為に、赤ん坊の頃に本物の議員の娘と密かに交換されて育てられたとか壮絶過ぎる(汗)
幸いな事に、霧島議員は本当の娘でなくても、接していくうちに愛情が芽生えて、命を掛けられるほど娘として大切に想う様になったみたいだけど。
矢上と霧島の愛情に泣く美沙都に貰い泣きしてしまったよ。

んで、本作の黒幕であるガルムですが・・・何かもう、あそこまで命令に忠実だと怒りを通り越して哀れに思えてきます(汗)
主が死のうと関係ない。自分にはガルフと言う名前しかない。自分からガルフを取ったら何も残らない。何の為に生きているかもわからなくなるし、今更ガルフ以外の存在になれるとも思えない・・・とか考えてたんだろうな(汗)
「命令には絶対。それが誇り」とか言ってるけど、結局は自分の心の空虚さを埋める為に、大義名分を利用してた印象。
家族の為に命令に関係なく、自分の意思で動こうとする矢上と霧島を、内心羨ましいと思っている様にも見えた。
しかし、やっと核心に迫れると思ったのに殺されてしまった篠塚は無念だったでしょうな(汗)
最初接触してきた時は、何か怖い印象だったけど、周囲から馬鹿にされても諦めずに長年追い続けていたガルムが再び現れたと思ったら、そりゃ必死過ぎて怖くなるわなと思った。


新作の感想はこんな感じかな。
他の短編は昔一度プレイしてたけど、あまり内容を覚えてなくて、「ああ、そういやそういう話だったな」って感じでした。
ただ、「勿忘草の想い」は事件の事は忘れてても、母親が「いつか来る別れの為に娘に冷たく接している。それが娘の為」と言う部分は覚えてました。
当時プレイしながら「いや、それはあんたの自己満足で、娘からすればありがた迷惑だろ(汗」とつっこんでた記憶があります。
あと、「愛ゆえに」の話は、犯人の想いは愛と言うより執着と言う印象だった。
ってか、犯人の奥さんはマジで泣いていい。
夫が元カノと不倫してて、元カノが「自分の子供の為にも不倫を続ける事はできない」と身を引いたら、「別れたくない!」と発狂して心中覚悟で殺してしまったとか、奥さんの立場まるでないじゃんか・・・(汗)
何で結婚したんだよ・・・ってか殺すほど別れたくないなら先に離婚しろよ。
心中するつもりだったとか言ってるけど、殺された被害者の息子の気持ちとか全然考えてないし、考えが浅はかで幼稚過ぎると思いました。うっかり発言もすぐ気付いたし(汗)


と、感想はこんな感じ。
個人的には大満足だったので、次回作が出たら絶対に買います。
でも、クロス探偵物語の続きも考えているなら作って欲しいなー。
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