愛しすぎる女たち 感想
2013/04/16 23:39:46 |
心理学 |
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『愛する事が苦痛をともなう時、私達は愛しすぎているのである』
自分は心理学の本を時々読むんですが、その中でも実用的な本がありましたので、ちょっと紹介。
愛しすぎる女たち (中公文庫) (2000/04) ロビン ノーウッド 商品詳細を見る |
この本は、カウンセラーである著者が実際カウンセリングした所謂「愛しすぎる女たち」のエピソードと、その考察と対策を書いています。
タイトルの愛しすぎると言うのは、自分を犠牲にして相手に尽くす事です。
自分を愛してくれない不誠実な男に入れ込んで、「私が我慢すれば、頑張れば彼もきっと変わってくれる。そうしたらきっと私を幸せにしてくれる」と期待して必死に努力し、相手が自分から離れていく事を恐れて縋りつくものの、相手は一向に変わらず、最後は結局自分が傷付いて終わりって人結構いますもんね。
自分は恋愛する精神的余裕なんてなかったので、そんな経験ありませんが・・・(笑)
で、何故そんな男を選んでしまうのかと言うと、親がそうだったから。
まれに相手が誠実になったり、自分を大切に想ってくれる男が現れても、魅力を感じなくなって自分から離れていくそうです。
なんでも自分を幸せにしてくれる誠実な男には魅力を感じないとか。
何故魅力を感じないのかと言うと、そういう人と接した経験がないから落ち着かないんだそうです。
そして女は誠実な男は切り捨てるか、無視するか、いい人止まりで終わらせると。
そういうワケで依存症の親を持つ子供は依存症の相手を選んじゃうし、親が浮気性だった場合は同じ浮気性の相手を選び、「自分は両親の様に酷い関係にはならない」と決めていたのに、無意識に両親の様な関係を再現しちゃうんだそうです。
苦痛の方が慣れている故に毎回不誠実な男ばかりを選んで自ら不幸になると。
あと「必要とされたいから」という理由もあるみたいですな。
自分を必要としてくれる人なんて、この先現れないんじゃないかと言う不安に駆られて、自分が本当に相手を好きなのかどうかを深く考えずに、自分を必要としてくれる人に縋ってしまうと。
自分で自分を好きになれないから、他人から好かれる事で穴埋めをしようって心理なのかな?
んで、愛しすぎる女を選ぶ男は「自分の問題を解決してくれる人、自分の面倒を見てくれる人」を求めているので、「自分を必要として欲しい」と思う女と「自分を問題を解決して欲しい」と思う男がお互い惹かれあうのは当然の結果なんですな。
但し、悪い意味で惹かれあってるワケですが。
そして問題は、そんな問題ある自分を客観的に見れない事。
そりゃそうですよね。
自分の選択が間違っていたなんて考えたくないですもん。
終わった後なら認められるけど、付き合ってる最中は自分達の関係が破綻しているなんて、やっぱ認められないでしょ。
だって認めるって事は「自分には人を見る目がない」って事を認める様なもんだし。
自分の知り合いに毎回駄目男を選んで、毎回似たような愚痴を言ってる人いますもん。
だったら別れりゃいいのに・・・と思いつつ、ヘタな事を言っても「彼氏を作った事がないあんたに何がわかるの」って感じで相手を怒らすか傷付けるだけなので言いませんが(汗)
そもそも自分から変わろうと思わなければ意味ないし。
この本は薦めてみようと思いますがね。
んで、肝心の解決方法は相手の問題に一切干渉せずに、何よりも自分を優先する事。
相手を変わらせようと行動するのではなく、自分を育てる為に行動する事が何より大事。
まぁ、いくら努力しても変わるかわからない他人よりは、努力すれば確実に変わる自分の為に労力を使った方が明らかに建設的だわな。
んじゃ『愛』ってどういうもの?と自分は当然疑問に思いました。
世の中の恋愛を題材としたドラマや歌は、「報われなくて切ない」「いつも一緒にいないと不安」「貴方がいなければ生きていけない」って感じのがほとんどで、大抵の人は愛ってそういうものだと思ってます・・・自分もそう思いかけてました。
でも、著者はこう言ってました。
「取り憑かれたようになる事が愛ではないのよ。それは強迫観念にすぎないの」
「興奮、不安な予感、恐れの様な強い感情は全て『愛』と呼ばれる強力な包みの中身に思えるのよ。本当は愛でも何でもないのだけれど」
「フェアな愛の関係性がどんなに楽で快適かなんて歌を作る人はいやしないわ。不安や恐れや失ったもの、心を痛めるものばかりを歌にするのよ。だから皆それを愛と呼ぶわけ」
と言う事です・・・凄く納得した(笑)
切ない方が興味を引きますもんね・・・自分は平穏な恋愛の方が好みだけど。
心から信頼し合い、本当の意味で相手と親密になるのが愛という事だそうです。
まぁ、ともかく「親切で、信頼できて、親身になってくれる相手が一番」って事ですな。
自分ももう20代後半ですが、相手を選ぶ時は気をつけないとな・・・父が、家事がまったくできない+アルコール依存症+マザコン+子供である自分達の金を当てにする+暴力を振るうDVな駄目男だったし。
・・・って、こうやって書いてみると本当にどうしようもねーな、父よ(笑)
母は母でほっときゃいいのに(父は自分でなんとかできる年齢なんだから)、身を削って世話をする世話焼きな性分だし・・・悪い方向に世話焼きスキルを発動させてどうするよ(汗)
自分が泣き落としで説得して離婚させなかったら、冗談抜きで母は今頃心労と過労で死んでたと思う・・・今は普通に元気で第二の人生をエンジョイしてるけど(笑)
今までは恋愛する余裕がない故に恋人は作りませんでしたが、作らなくて良かった・・・どんな駄目男を選んでたか考えただけで恐ろしいわ(笑)
三十路過ぎようが、周囲が結婚しようが、考えが時代遅れとか化石とか行き遅れとか売れ残りとか言われようが、今は自分を育てる事に専念しよう(笑)
焦って結婚しても「やっぱ離婚しましたー」じゃ意味ないし。
そもそも結婚って縁の問題だしね。
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